2009年2月13日金曜日

宇野千代の小説「八重山の雪」


入間地区の八重滝集落を舞台にした宇野千代の小説「八重山の雪」の話です。


終戦後、松江の六十三連隊跡に駐屯していた英国兵と逃亡し、入間の八重山に隠れ住んだはる子を主人公にした「八重山の雪」は、宇野千代が実話をもとに書き下ろした小説です。

作者は取材の為に幾度かこの掛合町八重滝集落に訪れました。
それだけに宇野千代は「私の好きな作品の一つ」と言っています。

逃亡兵のジョージを気遣うはる子の父の世話で、二人は遠縁の居る八重山集落の家に身を寄せ、ジョージはその家の炭焼きの仕事を手伝います、

「 最初の仕事場は、あの、牛の神様と言うて諸国のお人に知られています、八重山神社の裏手を廻った奥山でございました」

小説の中で主人公はる子は、八重山神社をしっかりと宣伝しています。
現代から見たら純情でありすぎる二人の愛の物語は、綿々嫋嫋として強烈な印象を与える素晴らしい作品です。

その続編とも言える宇野千代の、「チェリーが死んだ」 もあわせお読みいただきたい小説です。

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